ADA、DOGE、XRPが市場の回復を牽引──GENIUS法成立後、暗号資産への投資が急増 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• 機関投資家の関心の高まりとGENIUS法の成立を受け、イーサリアムが24時間で8.1%上昇したことで、暗号資産市場は急騰した。
• シャープリンク・ゲーミングは、暗号資産をマクロ資産として位置付けるシフトを反映し、ETH保有量を増やすために株式売却額を60億ドルに拡大した。
• カルダノ、XRP、ドージコインなどの主要コインは、ETHの勢いと市場の信頼感の高まりを受け、大幅な上昇を記録した。

過去24時間で暗号資産（仮想通貨）市場が急騰した。

イーサリアム（ETH）と主要トークンは、リスク許容度の回復、ETHの財務需要の増加、およびGENIUS法の成立に伴うマクロ経済の追い風を受けて急上昇した。

ETHは過去24時間で8.1%上昇し3601ドルに達し、7日間の上昇率を21.3%に拡大した。これは、トレーダーが機関投資家のさらなる資金配分を見込んだためだ。

この動きは、ETHの最大の企業保有者であるシャープリンク・ゲーミング（SharpLink Gaming）が、追加のETH蓄積資金調達のため株式売却額を60億ドル（約9000億円、1ドル=150円換算）に拡大したとのニュースが要因の一つとなっている。これは、ストラテジー（Strategy）のような企業が見せたビットコイン（BTC）財務戦略の初期段階を模倣した動きだ。

「暗号資産市場のレジリエンスは、機関投資家の確信が深まっていることを反映している」と、OSLの最高商務責任者であるユージン・チャン（Eugene Cheung）氏は述べた。「いくつかの企業はBTCが安定した支配を維持する中、財務戦略の一環としてETHを急速に蓄積している」。

シャープリンクのETHへの投資のようなプロジェクトは、暗号資産がマクロ資産クラスとして構造的なシフトを遂げていることを示している。

リスクオンのムードは、暗号資産に友好的な立法措置として見られているGENIUS法の成立を受けて発生した。ビットコインは一時的に新たな史上最高値を更新し、11万8000ドル以上で安定している一方、ETHの勢いが広範なアルトコインを押し上げた。

カルダノ（ADA）は14.6%、エックス・アール・ピー（XRP）は17.2%、ドージコイン（DOGE）は12.5%、それぞれ上昇した。これはいずれも過去24時間以内の記録だ。

ETHへの買い圧力が集中する中、トレーダーはETHのブレイクアウトに対して遅れを取っていると見なされる大型アルトコインへ資金をシフトさせた。

これらの資産は、市場信頼感が上昇する時期にイーサリアムと連動して上昇する傾向があり、特にベータを求めてイーサリアム（Ethereum）レイヤー1や既存の主要トークンに資金が流入する場合に顕著だ。

ETHが先行する中、短期的なポジションは、「アルトコインの季節」への期待が高まる中で「キャッチアップ」トレードの恩恵を受ける流動性の高いトークンに傾いた。

「先週は驚くべき上昇だった」と暗号資産取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ（Jeff Mei）氏は述べた。「ETHは驚異的な20%の上昇を見せて3600ドルに達した。より多くの企業がETHの財務戦略を採用するにつれ、過去最高値を再訪する可能性があると考えられる」。

「アルトコインの夏は確実に期待できる。特にアメリカ連邦準備制度理事会（FRB）が利下げを実施すれば」とメイ氏は付け加えた。

長らくマクロ経済指標としてBTCの影に隠れていたETHのドミナンスは、ETH/BTC比率の回復に伴い、再び存在感を示し始めている。24時間の取引高が640億ドル（約9兆6000億円）とETH関連ETF（上場投資信託）への資金流入が増加する中、トレーダーは第3四半期にかけてイーサリアム主導の上昇を想定したポジション調整を進めている。