【為替】ユーロ高・米ドル安は終わったのか? | 吉田恒の為替デイリー | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

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ユーロ高が足踏みしてきた理由=米金利上昇で金利差からかい離

ユーロ/米ドルは一時1.18米ドル以上に上昇したが、先週(7月7日週)から一時1.17米ドル割れへ反落する場面も出てきた(図表1参照)。2025年が始まった当初は1ユーロ=1米ドル「パリティ(等価)」割れ近くまで下落したところから一転した「怒涛のユーロ高」はもう終わったのか、それともあくまで一時的なユーロ反落に過ぎないのか。

【図表1】ユーロ/米ドルの月足チャート(2020年~) 出所:マネックストレーダーFX ユーロ/米ドルが7月に入り1.2米ドルへ迫る上昇となったことを説明するのは、実は簡単ではない。かろうじて説明できそうだったのは、金利差(ユーロ劣位・米ドル優位)縮小だった(図表2参照)。ただそれも、7月初めに発表された米6月雇用統計が予想外に強い数字だったことから米金利が上昇すると、高止まりしていたユーロ/米ドルからは大きくかい離した。

【図表2】ユーロ/米ドルと米独2年債利回り差(2025年4月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 また、ユーロ/米ドル自体も、一時1.18米ドル以上に上昇した局面では、90日MA(移動平均線)かい離率がプラス10%に急接近するなど、経験的には短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなっていた(図表3参照)。

【図表3】ユーロ/米ドルの90日MAかい離率(2000年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

5年MAかい離率から見るとユーロ「上がり過ぎ」ではない

ユーロ/米ドルは大きく上昇したものの、それを正当化した可能性のあった独米金利差変化が一巡し、その上で短期的には「上がり過ぎ」懸念が強まったことで、半年も続いた上昇トレンドが一段落した可能性はあるだろう。では、ユーロ高トレンド自体も終わり、この先も1.2米ドルの大台を超えることはないのか。

ユーロ/米ドルの5年とMAかい離率は、この間プラス6%以上に拡大した。これは、2010年以降ではかなり「上がり過ぎ」懸念が強い結果と言えそうだ(図表4参照)。ただ、それ以前で見ると、同かい離率は±20%前後まで拡大したこともあった。そうした意味では、2010年以降のユーロ/米ドルの値動きが小さくなっただけに過ぎず、それ以前に遡ればまだ「上がり過ぎ」が懸念される動きではないのではないか。

【図表4】ユーロ/米ドルの5年MAかい離率(2000年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 以上を整理してみる。ユーロ高・米ドル安は、目先的には1.2米ドルの大台を前に一段落した可能性が高いのではないか。ただ、ここまでのユーロ高・米ドル安の理由として、トランプ政権の政策に対する不信感を受けた米ドル信認低下があるなら、大きなユーロ高・米ドル安の流れは変わらず、目先的な調整を経た後に、改めて1.2米ドルの大台突破に向かう可能性はあるだろう。

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