Poseidonは、オンチェーンIPプロトコルStoryがインキュベートした分散型AIデータインフラプロジェクトであり、a16z crypto主導の1,500万ドルのシード資金調達を完了しました。本調達資金により、ロボティクス、マルチモーダルモデル、次世代物理AI向けの包括的なデータインフラレイヤー開発を加速し、「高品質・IPセキュア・完全トレーサブルなデータの獲得」というAI分野で最も重要かつ見過ごされがちな課題の解決を目指します。
「モデルアーキテクチャや計算力が一般化していく中、真の競争優位はデータにこそあります。」
— Sandeep Chinchali(Story Chief AI Officer / Poseidon Chief Scientist)
Poseidonは、StoryのプログラマブルIPレイヤーを現実世界のデータとAIトレーニングに拡張し、クリエイティブやAI資産の所有権、ライセンス、帰属情報をプログラマブルに管理できるようにすることを目指しています。Storyが資産権利のプログラマブル制御を担う基盤プロトコルを開発する一方、Poseidonはこれら機能を活用して、法令順守かつ効率的なAIデータフローを実現します。
過去2年でAIはテキスト・画像理解領域で飛躍的な進歩を遂げました。AIがロボティクス、自動運転、スマートデバイスといった実世界応用へ拡大するにつれ、本物の現場データへの需要が急激に高まっています。
しかし現状のデータ収集には、次の3つの本質的課題があります:
Meta CTOのAndrew Bosworth氏の「ネットにどれだけ情報があっても、人間がコーヒーカップを持ち上げる直感は再現できない」という言葉の通り、次世代AIモデルには「見る」だけに留まらず、世界を「理解し、行動する」力が求められています。
Poseidonは、これらの課題を解決するため、データの収集・アノテーション・ライセンス付与・配布・トレーサビリティ・インセンティブまでを網羅したフルライフサイクルのデータオペレーティングシステムを提供します。これにより、データは単なる「リソース」から法的・経済的価値を持つ「資産」に転換されます。
Story CEO兼共同創業者でありPoseidonのPresidentであるS.Y. Lee氏は、「StoryのプログラマブルIPレイヤーと不変なIP登録システムで、全データセットのライセンス・トレーサビリティ・権利執行を担保します。統合ライセンスモジュールにより、データの承認・マネタイズ・利用が容易となり、法的リスクを排除します。インフラの提供を超え、現実世界で展開されるAIシステムを実現するための基盤です」と述べています。
PoseidonはAIワークフロー向けに特化したデータオペレーティングシステムとして、収集からアノテーション・ライセンス・配布まで、各工程でネイティブIPトラッキングやプログラマブルな報酬設計をサポートします。主な特徴は次の通りです:
Poseidonは、AIモデル学習に求められる真に適法かつ拡張性・持続性の高いデータネットワークを提供し、AIがよりデータ駆動型となる時代に不可欠なインフラを確立します。
「AIのファウンデーションモデルは、アクセスしやすい訓練データを使い切ってしまいました。Poseidonの分散型データレイヤーは、インターネットの新たな経済基盤を構築し、多様なインプットを提供するクリエイターやデータ提供者への報酬を実現します。私たちはAIの重大なボトルネック解消に挑むPoseidonを強く支援しています。」
— Chris Dixon(a16z crypto創業者・マネージングパートナー)
Poseidonは既に主要AI企業と提携しており、本ラウンドの資金でSDKツールキット、コントリビューター用ワークベンチ、ライセンス・収益モジュールなどの技術基盤を拡充します。今夏にはAI開発者・データ提供者向けのアーリーアクセス登録受付を開始予定です。
PoseidonはAIトレーニングワークフロー専用に設計された分散型・フルスタックデータレイヤーです。Story Protocolチームのインキュベーションで、高品質データの供給とAIモデルの需要を橋渡しします。本プラットフォームはデータの提供、ライセンス付与、承認、検証、統合などエンドツーエンドのプロセスを支え、コントリビューターにセキュリティ・コンプライアンス・実質的な経済インセンティブを提供します。